特定技能の職種 – 特定技能1号では、特定産業分野と呼ばれる14の業種に限って就労が認められています。特定技能制度が人材不足解消のために作られたこともあり、国内人材の確保が困難な産業分野を「特定産業分野」と定義し、外国人材が就労しやすい環境を整えています。
本記事では、その特定技能の14業種について、詳しく解説していきます。
(一部分野の統合により、12分野となっています。)
特定技能業種職種一覧
特定技能1号は、国内の労働力不足を改善するために、一定数の外国人材を受け入れるために創設されました。
労働力が特に不足している産業分野を「特定産業分野」と定義しています。
特定技能として就労するためには
- 一定の専門性
- 一定の日本語能力
が求められます。
その一定の専門性については、業務に必要なレベルが特定産業分野ごとに定められており、その産業を所轄する官庁が実施する試験にてその専門性を確認しています。
- 介護
- ビルクリーニング
- 素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業
- 建設
- 造船・船用工業
- 自動車整備
- 航空
- 宿泊
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/fna/ssw/jp/overview/
介護 – 特定技能業種職種
身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等)のほか、これに付随する支援業務(レクリエーションの実施,機能訓練の補助等)*訪問系サービスに従事することはできません。
特定技能1号の中でも比較的多く受け入れられています。2020年12月に939人だった人数も、2022年12月には16,081人まで増加しています。
介護分野の人手不足というとニュース等で耳にしたことがある方が多いのではないでしょうか。2025年までには毎年5万人の介護人材が不足し、2040年までには毎年3万人の介護人材が不足するといわれています。
特に今後は都市部での介護人材不足が顕著になっていきます。
ビルクリーニング – 特定技能業種職種
建築物内部の清掃等をする区分になります。2020年12月に184人だった人数が、2022年12月には1,867人まで増加しています。
素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業 – 特定技能業種職種
素形材産業は、素材を熱や圧力等の方法で変形・加工する技術を用いて、製品を創り出す産業のことです。
産業機械製造業は、建設機械・農業機械・工業機械・木工機械などを製造する産業です。
電気・電子情報関連産業は、自動車等の電子部品などの製造をする産業です。
これら3つの分野は、特定技能製造3分野と呼ばれています。
2020年12月に3,208人だった人数が、2022年12月には27,725人まで増加しています。
- 鋳造
- 鍛造
- ダイカスト
- 機械加工
- 金属プレス加工
- 鉄工
- 工場板金
- めっき
- アルミニウム陽極酸化処理
- 仕上げ
- 機械検査
- 機械保全
- 電子機器組立て
- 電気機器組立て
- プリント配線板製造
- プラスチック成形
- 塗装
- 溶接
- 工業包装
建設 – 特定技能業種職種
大工だけではなく、内装や左官も含まれます。
2020年12月に1,319人だった人数が、2022年12月には12,768人まで増加しています。
- 型枠施工
- 左官
- コンクリート圧送
- トンネル推進工
- 建設機械施工
- 土工
- 屋根ふき
- 電気通信
- 鉄筋施工
- 鉄筋継手
- 内装仕上げ/表装
- とび
- 建築大工
- 配管
- 建築板金
- 保温保冷
- 吹付ウレタン断熱
- 海洋土木工
造船・船用工業 - 特定技能業種職種
溶接が多いです。
2020年12月に1,319人だった人数が、2022年12月には12,768人まで増加しています。
- 溶接
- 塗装
- 鉄工
- 仕上げ
- 機械加工
- 電気機器組立て
自動車整備 - 特定技能業種職種
自動車の点検などをします。(組み立てはここに含まれません。)
2020年12月に413人だった人数が、2022年12月には4,602人まで増加しています。
自動車の日常点検整備、定期点検整備、分解整備
航空 - 特定技能業種職種
2020年12月に13人だった人数が、2022年12月には167人まで増加しています。
- 空港グランドハンドリング(地上走行支援業務、手荷物・貨物取扱業務等)
- 航空機整備(機体、装備品等の整備業務等)
宿泊 - 特定技能業種職種
2020年12月に67人だった人数が、2022年12月には206人まで増加しています。
フロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の宿泊サービスの提供
農業 – 特定技能業種職種
2020年12月に2,387人だった人数が、2022年12月には16,459人まで増加しています。
- 耕種農業全般(栽培管理、農産物の集出荷・選別等)
- 畜産農業全般(飼養管理、畜産物の集出荷・選別等)
漁業 – 特定技能業種職種
2020年12月に220人だった人数が、2022年12月には1,638人まで増加しています。
- 漁業(漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保等)
- 養殖業(養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理・収獲(穫)・処理、安全衛生の確保等)
飲食料品製造業 - 特定技能業種職種
2020年12月に5,764人だった人数が、2022年12月には42,505人まで増加しています。
飲食料品製造業全般(飲食料品(酒類を除く)の製造・加工、安全衛生)
外食業 – 特定技能業種職種
2020年12月に998人だった人数が、2022年12月には5,159人まで増加しています。
外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理)
よくある質問
まとめ
労働人口不足は地方だけではなく、都市部でも急速に進行しています。そのため特定技能で就労する人数は、今後ますます増加していくものと思われます。
技能実習生制度の縮小が予想される中、今後は特定技能が拡大していくはずです。一定程度の日本語能力があり、業種・職種の幅が広いため、様々な会社様にとって戦力にしやすい人材がそろっています。
企業の戦力として、特定技能で外国人の採用をご検討ください。